Chair 和『極』
日本の伝統とも言える野点。
野点とは、野外でお茶や抹茶をいれて楽しむお茶会。近年洋式が進む日本に於いては、見かけることも殆どなくなり稀な光景になってしまいました。「日本の伝統を少しでも残す手伝いがしたい」それがドールの世界であっても良いのでは? dolFun!はそう考えます。
今回ご紹介する「Chair 和『極』」は、1/4~1/3スケールのドールにあわせて開発された野点セットです。1年前にも発売された「Chair 和」ですが、当時も部材の関係で数量限定発売ということもあり即完売。以降、多くの再販を希望されるお声も多く、「なんとか再販出来ないものか」と、水面下で企画・設計。職人様の協力を得て、より再現性の高い野点セット『極』が誕生しました。
そんな「Chair 和『極』」を少しだけ紹介していきます。
野点の主役と言える傘。
現在はドールに使える傘は沢山の種類が存在するのですが、野点をイメージできるものは私が探した限り見つけることが出来ませんでした。そうなると一から作ることになるのですが、格式高い日本の伝統を再現するには、やはり伝統ある和傘職人の手が必要となります。
「Chair 和『極』」に使用される傘は、昔から伝わる和傘作りをベースに、職人が「Chair 和『極』」用に一本一本丁寧に仕上げたものを使います。
妻折(骨の先が湾曲したもの)の再現はスケール的にも難しく、非現実的な料金になってしまうこともあり、本式(番傘を大きくしたもの)に近い形状となります。内側には飾り糸をあしらい、妻折と本式の中間的デザインとなります。
軒紙と帽子は真っ赤な和紙を使い、中置き紙は黒、骨は艶ありの黒で仕上げることで、艶やかなコントラストが高級感を演出します。また、緑と黄の糸飾りを施し華やかな野点傘の雰囲気を再現しました。
最近話題にもなった「ろくろ」は、日本でも限られた職人しか作っておらず、大変に貴重な岐阜県産を使用しており、伝統という名に恥じない逸品に仕上がっています。
もちろん傘は閉じて保管することも可能で、屋外への落ち運びも容易に可能となります。
そして傘を立てる野点傘台は、よくみる一般的な野点傘台を1/3スケールで再現。合成うるし塗装を施し、台形に広がり重なる羽をも再現。単体でも野点傘台とわかるよう形状や材質にもこだわりました。
一見忘れがちな存在の傘台ですが、野点の雰囲気作りには欠かせない影の立役者。黒光りする重厚な存在感は、傘はもちろん、野点全体の雰囲気をより一層引き立ててくれます。