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『Spin Chair』series

市場にある沢山の椅子。どれも素敵なものが多く、目移りしてしまいますよね。

私もdolFun!を始める前は、幾つかの椅子を購入しドールを座らせ喜んでいたのを今でも鮮明に覚えています。

そういえば、スタイロフォームというスチロールを削り合皮を貼り付けて自作したこともありました。

とても懐かしい思い出です。

dolFun!がアイドール東京で最初に力を入れて販売したのも「Chair円」でした。当時手伝ってくれてたAさんが企画してくれた商品で、アイドール東京では100個近く準備し、殆ど売り切れたんですよね。100個って。。今思えば怖いもの知らずだったなと思ってしまいます。そのお陰かわかりませんが、「Chair円」今でも根強い人気がある椅子なんですけどね。

それから、Chair硝子やChair脚立など、Chairのseries化が始まるのですが、その傍らで3年ほど前から密かに私の脳内で企画を進めていたのが、今回ご紹介する「Spin Chair」です。

 

すでに第二弾の登場となったSpin Chairなので今更感ありますが、少しだけご紹介出来ればと思います。

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『Spin Chair』は、ドールを回転させてみたい。という単純な思いから生まれました。

え?それだけ??と思われるかも知れません。それだけです。それがワクワクするんですよね。

そこで回転する椅子を作ることにしたのですが、これがなかなかの難題です。

40㎝~60㎝級のドールって、結構ずっしりと重量があるんですよね。40㎝級で5~600g、60㎝級になると、800~900gにもなります。人間の体重から換算するととてつもなく軽い体重ではあるのですが、それらを支えるミニチュア家具となると、それなりに強度が必要になってきます。回転もさせないといけないですしね。

大手メーカーであれば、金型依頼して組立・微調整で、はい出来ましたで済みます。でも、弱小であるdolFun!ではそうもいきません。金型と聞いた瞬間に高熱が出てしまいます。

​木材で何とかならないかとも考えましたが、それはそれでコストが凄いことになってしまいます。ちょっと求めるイメージも違いますしね。

​そんなこんな考えていたのは2~3年前でしょうか。

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もやもやしながらも月日は流れ、ある情報が入ってきます。3Dプリンタフィラメント(プリントに使う材料のこと)の高強度化。炭素繊維、所謂カーボンです。10年ほど前から存在はするものの、ハードウェアが追い付いていないことや、どうしても高額になってしまうことから非現実的でした。

そのスルーせざるを得ない非現実的だったものが、一気に現実的なところまで来たわけです。安価ではありませんが、何とかなりそうな価格帯というやつです。

​そんな一筋の光が差し込んだのが2022年初め頃だったと思います。

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Spin Chairのベースとなる黒い部位は、全てカーボンフィラメントを使った3Dプリンタで出力されます。座面を含まないベース部分だけで、1脚につき26個の部品を出力します。

そして、シャフト類は1脚につき7点。全て精度・強度共に高い水準のステンレスシャフトを使用します。

​また、インサートを含むビス類については13点。露出する部分は全て六角ビスを用います。頻繁に取り外すわけではないので、本来通常のプラスビスでも問題はないのですが、見えるところでもありますし。。六角ビスの方が見た目カッコいいという私の拘りで変更しました。

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Spin Chairの要である回転部には、削り出しの極太ステンレスシャフトを2個のベアリングで支えます。勿論すべてメイドさんゴホン! 。。メイドインジャポンです。スミマセン

画像は試作品で、現行はベアリングとベアリングの間をもっとギリギリまで広げてあります。購入時の説明書に記載してありますが、メンテナンスフリーの分解不可となりますので、シャフトを抜いた後に異物がシャフト穴に入らない様に注意くださいね。

 

それとこれも説明書に記載してありますが、回転が少し渋いなと思っても絶対にグリスを塗布しないでくださいね。もっと回転が重くなります。回転の渋さが気になるときは、シャフト穴からスプレー式のシリコンオイルを一吹きで大丈夫です。

実は、試作品のアームは夏場の熱とドールさんの体重で1週間程で大きく変形してしまったんです。3Dプリントには造形物の密度というのがあります。フィラメントの無駄を省くため造形物の中は80%くらいを空洞にするのが一般的なのですが、試作品の強度不足と言う問題から、「Spin Chair」のアームは100%の密度でプリントされています。形状も少し太くなりストレート形状に変更されました。

​商品を既に手にしてる方は、キャスターアーム部が見た目以上に重く感じたと思います。1/4スケールに限定してリリースしている理由の一つでもあります。勿論、今後1/3スケールについても、強度とコストという問題をクリアしリリース出来ればと考えています。

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「Spin Chair」の第一弾をフルバケットシートタイプの「type R」でリリースしたのにはちょっとした理由があります。

 

まずはベルトでも締めて思う存分に回転させて「Spin Chair」を知って欲しかったというのが本音です。更にはオプションのドライブキットで、愛車にセットしドライブを満喫というのも楽しそうですよね。

そして、第二弾として、「type W」の登場です。

実は、この「type W」は、デザイナーでもある私が本気で仕上げたシルエットなんです。​「type R」も勿論カッコよいですし、サイバーな演出にはもってこいですよね。では、違いは何かというと、バケットシートは既に存在する凡そ決まったシルエットデザイン。対して「type W」は、ゼロから生み出された完全オリジナルデザインなのです。

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「type W」には2種類のカラーが存在します。

ナチュラルはクリ。ダークはウォールナットで、それぞれ無垢材から切り出します。仕上げはオイルフィニッシュとし、無垢材のしっとりとした肌触りと綺麗な木目をお楽しみいただけます。

また、紅葉のカラーとイチョウの葉をイメージしたデザインは、飽きの来ない洗練されたシルエットにどことなく暖かみをも感じて頂けることでしょう。

 

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「Spin Chair」は、キャスター移動、昇降、座面リクライニング、そして回転の4つの基本機能が装備されます。

これでも十分楽しめるチェアーとなってはいるのですが、「type W」はこの基本機能に加え、背板の無段階リクライニングを装備します。これにより背板を寝かせることで寝そべったポージングが可能となります。

寝そべった状態で椅子の上で回転するなんて、なんかもう。。ワクワクしないですか?

​あ、「type R」の様に勢いよく回すと、「type W」はデザインの都合上ドールさんが飛んでいく可能性があるので、ほどほどにしてくださいね。

如何でしたでしょうか。

「Spin Chair」の魅力を私なりに書いてみましたが、伝わりましたでしょうか。

どちらのタイプも実物を手にして頂ければ、きっと満足して頂けると思います。

2024年中には第三弾、第四弾と今後も展開出来ればと考えていますので、温かく見守ってくださいね。

​それでは!

素敵なドールライフを!

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